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言葉で聞かせて

第14章 番外編「千秋と酒」


「寝るしかないよ。一晩中起きてるには仕事もして疲れちゃったし」
「……だな」
「それに敦史はどこでも寝れるでしょ」
「うっせ」


僕達は揃って千秋さんを眺めて、小さな溜息をつきながら「おやすみ」と言い合って目を閉じた



翌朝
1番最初に目が覚めたのは僕

やっぱり人が上に乗った状態でぐっすりは眠れなかったみたい


「ふぁ……」


あ、千秋さんの腕から力抜けてる

あれだけぎゅ、ってしてて痛くなってないといいんだけど


そんなことを考えていると、千秋さんが小さく身じろぎした


目が覚めたかな


「おはようございます、千秋さん」
「……? お、はよ……ございます……」


寝惚けた姿が可愛くて頭を撫でていると、敦史も目を覚ました


「ふぁ……あー……」
「おはよう敦史」
「あぁ」


敦史も千秋さんが起きてるのに気がついて頬を摩る


「はは、目腫れてんぞ」
「本当だ。ふふふ、目の周りカピカピになってますよ、千秋さん」


僕達が笑いながら千秋さんの目を優しく擦ると、それまで寝起きでぼんやりしていた千秋さんの顔から急に血の気が引いて


「ごっ……ごめんなさい!!!」

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