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言葉で聞かせて

第6章 休息?


「おぉ」と小さな声を上げた敦史を挟んで千秋さんの横に並んだ


水槽の中では真っ赤な長い足を伸ばしたクラゲが水中を漂っている


「何か気に入ったのは見つかりましたか?」
「これが気に入ったんだと」
「随分毒々しいですね」


するとくん、と服の裾を引かれた


「?」
『綺麗ですね』


あぁ、癒される


元彼女、田中さん、と色々なことに気が立っていたのが一気に払拭された

自然と頬も緩む


「えぇ。綺麗ですね」


千秋さんも共に微笑んで、僕達は静かに微笑みあう

それが面白くなかったのか敦史が「そろそろ行こうぜ」と声をかけてきたので、その場を離れた

そのあとはアシカやオットセイなどの哺乳類をゆっくり見て回り、水族館を出た

そして買い物をしたりして昼食と夕食をセットで少し豪華なところでとり帰宅


「千秋楽しかったか?」


敦史の問いに千秋さんは満面の笑みで頷く


「それは良かったです。またどこか息抜きに行きましょうね」
『是非、また行きたいです』


その答えに僕も微笑んだ


「お風呂もうすぐ沸くので、千秋さん先にどうぞ」


千秋さんは遠慮がちに僕達を見回したけど、敦史が「行けよ」と言うと一度部屋着を取りに行ってから脱衣所に消えた

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