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ーーおい、あれ元カノだろ

ーーうるさいよ。もう終わってるんだからいいの


ふん、と鼻で息をついた敦史が千秋さんの横に並んだ


「クラゲ好きか？俺苦手なんだよ。なんか気持ち悪くねぇか？ーーはは、それは無理だろ」


楽しそうな会話を後ろから聞いていると、肩を後ろから掴まれた


「！」


今日はよく行く手を阻まれる日だ
思わず舌打ちをしそうになって慌てて唇を噛んだ

振り返ると、その存在を忘れかけていた千秋さんのマネージャーである田中さんがいた


「……何か御用でしょうか？」
「あの女性とは本当に関係がないんですか？」
「どうして、貴方にそんなことを聞かれないといけないんでしょう？」
「……」


千秋さんに好意を寄せる者としてライバルの弱点を知っておきたかったのかもしれないけど、そんなあからさまにライバル心むき出して聞かれて優しく答えてあげるほど僕は優しくない

答えられないとわかっていた質問に思惑通り黙り込んでしまった田中さんを置いて千秋さんと敦史のもとに向かった


クラゲが展示されている会場では綺麗な青いライトで染まった水槽を色とりどりのクラゲが彩っていた


赤い水槽の前で並んで見ていた2人を見つけて近づく