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蜘蛛と蝶〜囚われた蝶〜

第1章 囚われた蝶

ガランとした教室の中で、少女は少年がさっきまでしてた事をマネしてみる。



少年を思い出しながら。



「んっ…」



少年のように上手くできないが、それでも甘い声が零れる。



蝶の名は天海妃奈。天然で、胸が大きく、見た目が可愛らしい少女。



蜘蛛の名は不破聖馬。イケメンS男子で、女好き。



少女と少年の出会いは最悪だった。



人気のない教室で、他の蝶が蜘蛛に抱かれ腰をふっていた。



「聖馬の、おおきいよぉっ…あっ、あっ…」

「……」

「あん…!イイっ…イッちゃうよぉっ」

「勝手にイけよ」



よがる蝶と冷静な蜘蛛。



偶然通りかかった少女は、邪魔しないように通り過ぎようとしたが。



「わっ!?」



何もない場所で派手に転け、あいたた……と起き上がった時だった。目の前に、さっきの少年がいた。



「おい大丈夫か?」

「え……」

「んだよ、俺の顔ジロジロみやがって」

「何か取り込んでたから、いいのかなあって」

「……もしかして、セックス知らねぇの?」

「ホットケーキの粉か何かですか?」

「は――……本物か」



少年は心底深いため息を吐いた。



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