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蜘蛛と蝶〜囚われた蝶〜

第2章 蜘蛛と蝶

連れて来られた場所は音楽室。



音楽室……?



ここって確か、三年生の教室が近いんだよね。三年生しか使えない場所なのに、入っていいのかな?



そんな風に思っていると、背後からピアノの音がした。



「不破くんピアノ弾けるの?」

「まあな。親父がピアニストだからな」

「そうなんだ〜」



何弾いてるかわからないけど、好きだな不破くんのピアノの音。



なんて聞き入ってたら、蜘蛛が妖しい本性を現す。



「俺の首にしがみつくようにして、膝に股がれよ」

「そんなことできないよ……」

「妃奈」



……逆らえないよ、そんな、甘い声で名前を囁かれたら。



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