ねえ、大好きなんだけど。
第8章 貴女が大好きで
「お母様」
ばくばくと心臓が
高鳴る。
高木夫人。
瞳の母親。
「どうされました?」
「先程、ベランダに出たら
下の階にあなたと瞳がいたわ。
星の話をしてたみたいね」
「ええ。そうです」
「あなた、瞳が好きだったのね」
「……いえ。もう好きではありません」
「嘘はいけませんよ?
べつに私はあなたが瞳を好きであってもいいと思っております」
「え?」
「だってあなた永遠の誓いをたてたじゃないの。瞳の隣で先程。
だから好きでいて、いいと思うわ。
それとその焦りようならもう
体を重ねたようね」
心臓がとまるかと思った。
「申し訳ございません」
深く頭を下げる。
「だからいいのよ。あの子の我が儘でしょう?それにあの子ももう
涼太さんしか体を重ねることができない。
それは母親の私も残念ですから。
もう、ぶっちゃけて言いますと
鍛えてやってくださいな」
「ぶっちゃけてですか…」
「ええ。ぶっちゃけてですわ」
「かしこまりました」
「それとね、あなた今日はもう
寝なさい」
「ですが…準備は」
「別の執事にやらせるわ」