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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第3章 ~同期生マリコ~

翌日、午前中からハンズィ隊長との面談があった

「キミはデッキに行けないから〈クラング〉の写真撮ってきてやったぞ」

ハンズィは抱えていた携帯パッドを見せた

「昨日のうちにアタマだけ付けたんだ
パーツは試作機のだから眼があるぞ!」

「眼ですか…?」

モビルスーツにしろ、フリューゲルにしろ一般量産機は頭部全面に複合センサーが通例だ
要はのっぺらぼうだ

画像には人間の眼のようなツインカメラがあるようだ

「コイツは士官用のフリューゲル〈ヴァルキューレ〉のストックだ」

「…まるで顔ですね、どこかで見たような気がします…」

顔のように見えるのは眼に模したツインカメラだけで鼻も口も無い

「…そうか、キミは〈ヴァルキューレ〉を見たことあったんだったな!

キミを救援してくれたのはシンシア曹長の〈ヴァルキューレ〉だ」

「曹長…?ああ、あの赤い隊長機…」

漂流飛行していたナオトを見つけてくれた3機のフリューゲル

“そうか、2機の量産機が〈フリーゲン〉ってやつで、あの赤い隊長機が〈ヴァルキューレ〉か…!

機体の頭部まではハッキリ覚えてないな

たしか…パイロットは女の人だったよな…”

ナオトは意識朦朧の中、機体よりもキャノピーから出てきた女性パイロットの印象が強かった

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