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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第3章 ~同期生マリコ~

ナオトは8人部屋に移されたが、人員不足なのか他の兵士の姿はなかった

夜、食器を回収にきたマリコが恐る恐る訊いてきた

「ナオト、さっき寝てるときにも来てたんだけど凄いうなされてたよ…、大丈夫?」

「…そうか、

痛み止めの薬が切れたみたいだね…
ケガした場所以外も痛むからムチウチみたいだ
食べたから薬のんどくよ」

平静に話すナオトだったが、マリコは曇った顔を見て

“ああ…きっと戦場では凄まじい光景を目にしてナオトは生き延びてしまったんだろうな…

でないと〈クラング〉があそこまで中破されないよね…

そして、きっと自分だけが生き残ってしまったことに自責してるだ…!”

「マリコ、持ってきてくれた肌着ピッタリだよ、ありがとう」

力の無いナオトの笑顔に、マリコはこんなときは変に同情しないほうがいいんだろうな…、と自分の力不足を痛感した

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