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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第20章 重鋼クラング・グロウル

(1)

二機のクラング・ハイノートのカスタム機はそれぞれの方向に分散して散開した


上空ではハンズィ小隊が、

下方ではナオトたちピーヴィー小隊が最後のトドメを刺そうと追撃する


もうどちらも特殊武装は使えない


再戦する前に今ここで決めておかないと

次に追い詰められるのは逆の立場になりかねない



ナオトの猛攻に続き、後ろから追撃していたトビアス機もザンダー機に斬りかかる


ピーヴィー機からの砲撃もあり、ザンダー機の動きは制限される


トビアスのビームサーベルは難なく相手の肩を切り落とした!



衝撃!

モニターが次々と消えていく

コクピットは警告音が鳴り響く


「こ、こんなところで……!」



交錯し離脱したトビアスに替わり、一度離れていたナオトが再度の猛攻!


だがナオトが追い詰めるまでもなく制御不能になったザンダー機は乱射されていたピーヴィー機のロングキャノンの直撃を受け



凄まじい爆音とともに光の球になった


上空ではハンズィ機がスナイパーカスタムを追い詰めていた


3機編隊が代わる代わる猛攻をかけていく


逃げ惑うローペのカスタム機


大きな雲に逃れようとするローペ


その雲がぐにゃりと風を受けて膨らんでいく


ローペ機の背後から巨大な雲が形を変えていく



「な、なんだッッ!? ローランド!ウリ!散開しろッッ!!」



バ  フ  ッ  !



ゆっくりと巨大な何かが雲から出現する


巨大な輸送船か?


いや、真っ黒の巨大な構造物


「モビルアーマーかッッ!?」


いくつもの砲門に光りが集まっていく



バシュウーー!!!!


「か、拡散ビーム砲か!」



巨大なフリューゲル、“クラング・グロウル”を操るアレクが現れた!




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