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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第21章 エリュシオン〜幸福者の国〜

(3)

一緒に湯ぶねに浸かる


何が話しかけてくる



ボクも何かを応えているようだ


だけど



なんの音もしない



そういえばさっきからなんの音もしない



蛇口をひねって水で顔を洗ってたときも、なんの音もしなかった





まるで消音モードでテレビを見ているようだ




疲れてるから、いちいち気にも留めてないんだろうな…



なにか湯ぶねに浸かりながら、会話を楽しんでいる



何を話しているんだろう?



でも



ほっと安心するような感覚




やさしい笑顔だなぁ



やっぱり姉ではなく、妹なんだろうか…



信頼されてる雰囲気…



そうか、ボクの妹ならボクが守らなきゃ!



こんなにもかわいい妹が居てるなんて



ボクは幸せものだなぁ…


ふたりだけの家族なんだろうか



このバスルームで話す時間をふたりとも楽しんでる



笑って


笑って


笑ってる



楽しそうだなぁ




何をボクたちは話しているんだろう?




ボクが手を伸ばす


彼女の頬を撫でる


彼女はうっとり眼を閉じる…



彼女は起き上がりボクの胸にゆっくり飛び込んできた



ボクの目の前に金色の美しいストレートの髪


鼻の先を髪の毛がそよいでる


でもくすぐったい感覚は、ない



彼女が顔をすり寄せてくるのが仔猫のように愛くるしい…



かわいい金髪の美少女は笑顔でボクに抱きついてきた…




※※※


ナオトの見えていたバスルームの世界が



いつの間にか



真っ白な部屋のベッドルームになっていた



二人は裸で抱き合っている…



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