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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第21章 エリュシオン〜幸福者の国〜

(2)


ああ、これだけ白くてまぶしい部屋といえば



そうだ


バスルームかなぁ



バスルームはなんか白くて、まぶしい部屋だもんな!



さっきまでナオトが居た広い部屋は


突然、ユニットのバスルームの狭い空間に変わっていた



蛇口をひねり、指で水をすくう



顔を洗い、タオルで拭く


まだ濡れた感じがあるけど、髪の毛を触って撫でる



風呂場で何してたんだっけ?



外出先から戻ってきたばかりのような気がする



それで手を洗っていたのかな…



じっと手を見ると、やっぱり視界が鮮明だ



バスルームってこんなに明るかったっけ?



顔だけ洗っても仕方ないな



もしかしたら、身体も洗いながさないと…



ん?  何を洗い流すんだっけ?



それにしてもすごい明るいな…


まぶしいくらいだ…



湯船に浸かろう



湯ぶねに浸かってゆっくりする


おかしなことに何の温度も感じない



雰囲気はまったりしているから、きっと身体はリラックス出来ているんだろう



でも温かさも、冷たさも、何も感じない


わかっているのはお風呂に浸かっているということだけはわかっている



疲れてんのかな…


脳の感覚が、どうでもいい情報をシャットダウンさせてぼおっとさせているのかも…


視界はクリアだけど、


アタマは浮ついたような感覚がする…



いつもひとりで入ってたよな…



誰かが居る気がする…




すると



目の前に若い女の子が裸で立っていた



金髪の西洋人


歳はナオトより若そうだ


学生ぐらいかな?



彼女は微笑みながら隠すことなくその肢体をさらけ出していた



胸はあまりない、細身の女の子


綺麗な女の子だな…



お互い裸でいる事自体に恥じらいはない様子



家族だったっけ?



妹のような歳の差だけど、相手の包み込むような笑顔は姉なのかもしれない…



それにしても



まぶしい部屋の中に居ても、



この子はさらにまぶしいなぁ…


全身が光っているみたいだ



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