浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第21章 エリュシオン〜幸福者の国〜
(5)
ふたりは小高い丘の上を歩いている
どこかヨーロッパの、どこかの国の、どこかの山のふもと
岡の下の方に柵で囲われた牧場が見える
金髪の少女が笑っている
ここは彼女が昔暮らした場所なのか?
この場所を案内してくれているの?
2頭の馬が近寄ってくる
少女は馬の首を撫でる
仲がいいんだね…
ここの景色はとても綺麗だ…
こんな場所、映画でしか見たことないよ…
連れてきてくれてありがとう
また、ふたりでここに来よう…
いつか…
また…
※※※※
ソニア機はナオト機の落下を食い止めながら逆噴射し、なんとか姿勢制御している
互いのフリーゲンの胸元を寄せる
かなりの高度だがソニアはコックピットのハッチを開ける
そして正面のナオト機のハッチに伝って歩く
よろける
落ちたら即死だ
ソニアは躊躇なくハッチにしがみつき外からの強制開閉レバーを引く
ナオト機のハッチが開き、ソニアはヒラリと中へ滑り込む
中は警告音が鳴り響いている
ソニアはぐったりしている少年のヘルメットを覗き込む
少年の瞳孔は見開かれたままだ…
その心の無い見開かれた眼を見て
ソニアの顔は絶望する……
ふたりは小高い丘の上を歩いている
どこかヨーロッパの、どこかの国の、どこかの山のふもと
岡の下の方に柵で囲われた牧場が見える
金髪の少女が笑っている
ここは彼女が昔暮らした場所なのか?
この場所を案内してくれているの?
2頭の馬が近寄ってくる
少女は馬の首を撫でる
仲がいいんだね…
ここの景色はとても綺麗だ…
こんな場所、映画でしか見たことないよ…
連れてきてくれてありがとう
また、ふたりでここに来よう…
いつか…
また…
※※※※
ソニア機はナオト機の落下を食い止めながら逆噴射し、なんとか姿勢制御している
互いのフリーゲンの胸元を寄せる
かなりの高度だがソニアはコックピットのハッチを開ける
そして正面のナオト機のハッチに伝って歩く
よろける
落ちたら即死だ
ソニアは躊躇なくハッチにしがみつき外からの強制開閉レバーを引く
ナオト機のハッチが開き、ソニアはヒラリと中へ滑り込む
中は警告音が鳴り響いている
ソニアはぐったりしている少年のヘルメットを覗き込む
少年の瞳孔は見開かれたままだ…
その心の無い見開かれた眼を見て
ソニアの顔は絶望する……