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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第26章 〜電子戦争〜

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次の日、朝からゲームセンターに入り浸り“キアラ”との接触を試みるもオフラインのままで進展は無かった



シンシアは「昨日の夜にログインしてきたのなら、昼間は仕事とか学生だったりでイン出来ないのかもしれない」と考察したので、閉店時間ギリギリに再チャレンジしてみることになった



昼間の時間、シンシアとナオトはコンドミニアムの中心にある巨大な庭園を散歩していた



建物の中心に庭園があり、周りをガラス貼りの建物が取り囲みちょっとした植物園の温室のような雰囲気だ


高さも吹き抜けとなっており、建物内に居るとは思えない開放感だ


熱帯植物や、人工的な滝もあり、ふたりは滝の近くのベンチに腰掛けていた



「もし、キアラがあの子供だったとして……ボクたちに何が出来るんでしょうかね……」


「まずは相手が自分の話しをしてくれるかどうか、なんだろうけど…

ゲーム中にそんなこと応えてくれるとは思えんがな


でも、もし私の推測で“あの計画”の関係者なんだったら、情報は少しでも欲しいところだな

例えば、どこに居てるのか、だけでも有意義な情報になるよ」



ナオトはあのカリマンタン島の病院で出逢った無邪気な子供が、シンシアの言う“恐ろしい計画”に関係しているのか、気にはなる


だが、そうだとして自分に何が出来るのだろうか?


考えこんでしまううち

夜を迎えた……


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