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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第26章 〜電子戦争〜

(14)

ベッドに横たわるシンシアは少し落ち込んでいるようだ


ナオトもベッドに上がり、そばに寝そべる


「隊長はどうしたいんですか?」


「……隊長って呼ぶなってば!


私は“エターナル計画”が今でも続いているのであれば…、計画をつぶしたい…

私のような人間を何人も増やしたくない

これは“人体実験”なんだよ


ドクター・キンバリーを止めたい

だが、あの“マグリット”軍にはおそらくアレクも居るのだろう…


アレクは…


アレクは“完成形”なんだよ


最初で最後の“完成形”

対峙すれば、私なんて遠く及ばない


それでも、この計画を復活させては成らない」



シンシアは己の身に降りかかった忌まわしき“人体実験”を呪った



「だから……、シアはキュール・シュランクに乗るんですか?

マグリットを止めるために…?」



「どうだろうな? 私はずっとフリューゲルで空を飛んでいた… 何年も何年もパイロットさ

今さら普通の暮らしなんて出来ないんだよ

現に今でも“休養”なんて言ってるが独りでは何も出来ない

キミや、アンジェラ、マリコたちが居てくれるおかげでこんなに有意義な時間を過ごせるんだよ



もし独りでの休養だったのなら、いまでも病院の隔離された部屋で何日も過ごすんだろうな…


外の世界にも飛び出さず、余計なことにはまるで無関心……、私はパイロットしか取り柄のない“退屈な人間”なんだよ…」


シンシアは自虐的に語った…



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