浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第27章 インド編①シンガポール非公式会議
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「あの時は……私も怖かった……もうダメかと思ったもの」
「パイロットスーツのAEDの起動が少しでも遅かったら危なかったってドクターが言ってたわ
お手柄ね、ソニア」
「帰艦してからも、指が震えてた…
同僚の不幸は何度も経験してるけど、やっぱり目の前で起こると怖いね
知ってる人なら、なおさら…」
「シンシアさんも失ったと思ったことで、ナオトへの気持ちに気付いたんじゃないかな
卒倒しちゃうぐらい大事な存在だったんだよ」
「私もナオトが下船してからは空虚な毎日だよ」
「……ホンキだったの?」
「うーん、どうだろ? ホンキになりかけてたって感じかなぁ
ああいうタイプは居なかったんだよ
戦場ではゴツいオトコばっかりでしょ?」
「それはそうかもね、ソニアは歳下趣味なの?」
「あー、そうかも?」
「だから空軍に来たの? 陸軍はゴツい人だらけでしょう?」
二人は笑った
こんなに穏やかな雰囲気になれたのは本当に久しぶりだ、とソニアは感じた
やはりここ数日、気を張り過ぎたかもしれない
新鋭機の〈シュターム〉を任されてからというもの、自分がシンシア隊長の分まで頑張らなければと気負い過ぎていたのかもしれない
シンシア隊長だって恋もする女性兵士のうちのひとりだ
自分がシンシア隊長の代わりを務めるわけじゃない
逆に新鋭機を任されるということは、今まで通りの評価が実ったというふうに捉えよう
ソニアはタオとの会話だけでなく、考え方も改めようと思った…
「あの時は……私も怖かった……もうダメかと思ったもの」
「パイロットスーツのAEDの起動が少しでも遅かったら危なかったってドクターが言ってたわ
お手柄ね、ソニア」
「帰艦してからも、指が震えてた…
同僚の不幸は何度も経験してるけど、やっぱり目の前で起こると怖いね
知ってる人なら、なおさら…」
「シンシアさんも失ったと思ったことで、ナオトへの気持ちに気付いたんじゃないかな
卒倒しちゃうぐらい大事な存在だったんだよ」
「私もナオトが下船してからは空虚な毎日だよ」
「……ホンキだったの?」
「うーん、どうだろ? ホンキになりかけてたって感じかなぁ
ああいうタイプは居なかったんだよ
戦場ではゴツいオトコばっかりでしょ?」
「それはそうかもね、ソニアは歳下趣味なの?」
「あー、そうかも?」
「だから空軍に来たの? 陸軍はゴツい人だらけでしょう?」
二人は笑った
こんなに穏やかな雰囲気になれたのは本当に久しぶりだ、とソニアは感じた
やはりここ数日、気を張り過ぎたかもしれない
新鋭機の〈シュターム〉を任されてからというもの、自分がシンシア隊長の分まで頑張らなければと気負い過ぎていたのかもしれない
シンシア隊長だって恋もする女性兵士のうちのひとりだ
自分がシンシア隊長の代わりを務めるわけじゃない
逆に新鋭機を任されるということは、今まで通りの評価が実ったというふうに捉えよう
ソニアはタオとの会話だけでなく、考え方も改めようと思った…