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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第27章 インド編①シンガポール非公式会議

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「ええっと、ゴメン……まだ名前が…」


「いいんですよ、仕事中でしか話したことありませんでしたよね

私はヴォン・マイ・タオ

みんなタオと呼ぶわ」


「ソニア・ミラーよ、改めてヨロシクねタオ

ベトナムの人?」



「そうよ、よくわかったわね、みんな中国人だと思っちゃうのに」


「前の部隊にベトナムからのクルーが居たのよ、その人もヴォンだったから…」



「最初にファミリーネームがくるんだけどベトナムにはヴォン、グエン、ゴックばかりで名前が限られてるのよ」


「ああ、確かにグエンは3人ぐらい居たなぁ、食事はもう終わったの?」


「ううん、今からよ よかったら一緒にどう?」


ヴォン・マイ・タオは明るい女のコでソニアには良い気分転換になり助かった


食事を摂りながら、話題は共通知識のある機体の話し、艦内の話し、そして異性の話しと多岐にわたっていく



コロコロと話題を変えていくタオにソニアはついていくのに必死だったが、こんなガールズトークは久しぶりだなと会話を楽しんだ



「ソニアがナオトに大胆に迫っていってたとき、クルーみんなは冷や冷やしてたのよ」


「そうなの? だってナオトかわいいじゃない?」


「うん、マジメだしおとなしい性格なんでクルーからは気に入られていたわよ

でもシンシアさんと仲良かったから」



「うーーん、そこは残念だったなぁ……、でもそれほどステディな感じでも無かったように見えたけどさぁ」


「まぁ、シンシアさんは近寄りがたいって言うか、孤高な雰囲気よね

あ、女性クルーからはシンシアさん人気あったのよ!しっかりしてるところが〈お姉様〉ぽかったり、外見から〈妹〉ぽかったりで両方のタイプ兼ねてる珍しい人だったから


だから、急に倒れちゃったときはみんなビックリしちゃって…」


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