浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第28章 インド編②プラガーシュ 〜最初の灯り〜
(1)
ヴァイカートがソニアに語った〈今の相手は、敵ってほどでもない〉は撤回すべき状況となった
今まで相手にしてきたのは地方の小さな部隊レベルで、軽くいなす程度だった
ただ、それら世界中の小さな部隊が次から次に絡んでくるのが厄介なだけだったが
ここにきて本格的な中規模部隊を投入してくる敵が現れた
ヴァイカートいわく、
「あのマークは見覚えがある、ちょっと厄介な相手だぞ…!」
インドの空軍から独立したカシミール地方の特別自治体が編成した〈ムフト軍勢〉
元々、インド、パキスタンの紛争が続いているこの地区では日常的に戦闘が行われており、これまでの〈田舎者の小さな部隊〉とはレベルが違っていた
さらにこのカシミール地方はインドといってもヒンドゥー民族が少なく、ほぼイスラムに占められた特殊な地理もあってインドの正規軍も手を焼いていた
その〈ムフト軍勢〉からの機体は独自に開発された機体〈ファトワー〉だ
偶像を嫌うことからフリューゲル自体も上半身はモビルスーツを模しておらず、戦闘機然とした鋭角なスタイル
また細い補助翼が何枚も取り付けられており、その先端には遠距離用のライフルやバズーカ、そして近距離用のビームサーベルなどが装備され、フリューゲルよりもよりモビルアーマーに近い特殊な形状をしていた
ヴァイカートが敬遠するのは機体ばかりではない
そのパイロットたちのイスラム的な雰囲気が、
どうにもやりにくかったのだ
ヴァイカートがソニアに語った〈今の相手は、敵ってほどでもない〉は撤回すべき状況となった
今まで相手にしてきたのは地方の小さな部隊レベルで、軽くいなす程度だった
ただ、それら世界中の小さな部隊が次から次に絡んでくるのが厄介なだけだったが
ここにきて本格的な中規模部隊を投入してくる敵が現れた
ヴァイカートいわく、
「あのマークは見覚えがある、ちょっと厄介な相手だぞ…!」
インドの空軍から独立したカシミール地方の特別自治体が編成した〈ムフト軍勢〉
元々、インド、パキスタンの紛争が続いているこの地区では日常的に戦闘が行われており、これまでの〈田舎者の小さな部隊〉とはレベルが違っていた
さらにこのカシミール地方はインドといってもヒンドゥー民族が少なく、ほぼイスラムに占められた特殊な地理もあってインドの正規軍も手を焼いていた
その〈ムフト軍勢〉からの機体は独自に開発された機体〈ファトワー〉だ
偶像を嫌うことからフリューゲル自体も上半身はモビルスーツを模しておらず、戦闘機然とした鋭角なスタイル
また細い補助翼が何枚も取り付けられており、その先端には遠距離用のライフルやバズーカ、そして近距離用のビームサーベルなどが装備され、フリューゲルよりもよりモビルアーマーに近い特殊な形状をしていた
ヴァイカートが敬遠するのは機体ばかりではない
そのパイロットたちのイスラム的な雰囲気が、
どうにもやりにくかったのだ