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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第30章 インド編④カシミール戦役

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連邦空軍の大軍団は空を覆いつくし、

一部は渓谷に降り立ちグラームやマクブールたちの先行部隊を追い払った


大部分は渓谷を抜け、待ち構えていたムフト軍の迎撃部隊を一瞬で殲滅させる


侵攻は止まらず、荒れた大地を抜けてカシミールの首府スリナガルまでたどり着き、前日に制圧された空港や施設を奪還した


連邦の正規軍の物量に、ローカルなムフト軍はまったく歯に立たずその大部分を失っていった


有名な避暑地で知られるスリナガルの街だが前日のムフト軍の侵略攻撃と翌日の連邦空軍とアブドゥラ解放軍の共同戦線により、綺麗な風景は見る影もない


わずか数時間でスリナガルは陥落し、ムフト軍はほぼ壊滅させられたのだった


こうして長らく続いていたカシミール紛争は一旦の終結を迎える



だが地域紛争、宗教紛争の多いインドとパキスタンではお互いの領有権を主張し、緊張状態にあることには変わらない


国家間の争いに連邦軍は関与してこなかったが、今回のムフト軍の侵攻は一般市民を巻き込んだ〈侵略行為〉として、連邦軍は〈制圧〉したように思われている


実際は裏取り引きが行われ、技術の移管を目的としていたことは民衆には知らされないだろう


連邦軍は新技術〈プロトタイプ・サイコフレーム〉を手に入れた…



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