『浮遊空母～ぼくの冷たい翼～』第31章「インド編⑤終幕」　366ページ

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浮遊空母～ぼくの冷たい翼～

第31章インド編⑤終幕

（１）

アニーカ・カリードと行動を共にしてきた〈アブドゥラ解放軍〉のパイロット、ファラ・デハッラ

若干24歳の若い兵士だが、故郷には小さな娘を残していた

被差別階層ダリットの貧しい家庭に生まれ育ったファラはアニーカ・カリードたち同様にひどい差別を受けて暮らしていた

周りは暴力に満ち溢れ、人の死は軽んじている

思春期の学生時代、突然知らない男たちに拉致され廃墟の建物の中で集団レイプされた

男たちの行為に驚愕しつつも上位カーストの彼らには反抗も出来なかった

顔は殴られ、腹を蹴られると汚物を吐瀉し、失禁して意識を失った

バケツの水を浴びせられ意識が戻り、暴力は強姦に変わった

かわるがわる男たちはいたいけな少女の身体を蹂躪する

肉体的な暴力とは異なり、レイプは小さな自尊心を破壊させられる

何周かの行為が終わったあとも解放されることは無く、場所を変えて集団レイプは数日間続行された

顔の腫れもひいた頃、リーダー格の男はこの街の地主の息子だと知った

このまま殺されて川に遺棄されるのだろうと思っていたが、そのまま離れの建物に住まわされる

相変わらず性の玩具とされていたが、着たこともない綺麗な服を与えられたりもした

家の従者からは蔑まされた眼で見られていたであろう、一言も話しかけられなかった

地主の息子は家に居てるあいだじゅうセックスを強制してくるものの、仲間の男たちを連れてくることはなくなった

家族の元へ帰れなくなったが連絡を取ることも出来ず、逃げ出そうにも監禁されていたため何も手立てが無かった

そして数ヶ月が経った頃、ファラは妊娠していた