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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第31章 インド編⑤終幕

(4)

ダリットにそのような言葉をかける人間は少ない、と告げると

「私は元々上位カーストでもない」


幹部の男も若いときは差別を受けてきたのだと言う

だが都会の差別はそれほど酷くはないそうだ


親ほど離れた男だったが、いつしか肉体関係を持つようになった


まだ働き盛りの年齢ではあったが、若者ほど荒々しくも無く、ファラはこんな優しいセックスもあるのかと驚いた


彼は勃起不全でもあったので挿入よりも前戯の時間のほうが長かった


「もう歳だからね」


彼は自虐的に言ったが、男性の自信を失っているように感じた


ファラは一生懸命尽くしたが、これまでのセックスが一方的なものばかりだったので方法がわからなかった…


転機は突然訪れた


軍の秘密任務があり、そこには特殊な人材を必要としていた


その秘匿性から世間一般から募ることも出来ず、軍の内部だけで捜索されていた


こうしてファラは特殊な任務を与えられ、機械と薬物による「強化人間プロジェクト」に選ばれたのだった…



幹部の男はプロジェクトの全容を知らなかった


だがときすで遅くファラの適性は高かった


彼からは「辛かったら辞退しなさい」と声をかけてくれたが、ファラはやりがいがあった


女性に仕事は就けず、ましてやダリットのような階層ではろくな仕事に就けることもない

ここでは仕事をもらえたから


ファラは子供を男に託して訓練に取り組むのだった…



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