浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第31章 インド編⑤終幕
(6)
浮遊空母〈キュール・シュランク〉は通常の高高度に戻っていた
格納庫に避難していた難民たちは地上に戻ったり、支援に来た中型フェニックス級の輸送船に移動してニューデリーへ向かう
大半が都心部から避暑地スリナガルにやって来た観光客ばかりだったので、ほとんどの民間人は残ることは無かった
アキラとミサコのホンジョウ親子は移動出来る状況にまでは改善しておらず、地上に戻ったもののスリナガルからは移動出来ないようだ
キュール・シュランクの艦内は以前の静けさを取り戻す
パイロットたちは変わらず哨戒飛行を続け、たまに残存部隊を発見しては殲滅させていった
シフト制で巡回を繰り返すなか、ソニアは勤務時間が終わり、ラフなタンクトップ姿で最上階のリラクゼーションルーム、温室の部屋に来ていた
強化ガラスに囲まれた開放感のある部屋
天井も高く、2〜3メートルクラスの南国風観葉植物たちがひしめきあっている
ソニアはガラスの向こう、大空に飛び立つ〈フリーゲン〉部隊を眺めながら搭乗後のクールダウンを行っていた
“あれからアニーカ・カリードたちとはお別れの挨拶も出来ずじまいだったなぁ……”
カシミール渓谷での掃討作戦のあと、残存兵狩りの最中、アニーカ・カリードとノマの2人は突然体調が悪くなってしまい警戒任務から解かれた
あとから想像するに、強化人間同士なんらかの共鳴作用が働きファラの絶命を察してしまったのではなかろうかと考えられた
数日間、眠らされていた2人だがキュール・シュランクには強化人間に関する設備が無いため何も出来ず、結局アブドゥラ解放軍に戻されることになってしまったのだった
ソニアは慌ただしい環境からもの静かな雰囲気に変わり、少し心にポッカリと穴が開いたような気持ちになった…
浮遊空母〈キュール・シュランク〉は通常の高高度に戻っていた
格納庫に避難していた難民たちは地上に戻ったり、支援に来た中型フェニックス級の輸送船に移動してニューデリーへ向かう
大半が都心部から避暑地スリナガルにやって来た観光客ばかりだったので、ほとんどの民間人は残ることは無かった
アキラとミサコのホンジョウ親子は移動出来る状況にまでは改善しておらず、地上に戻ったもののスリナガルからは移動出来ないようだ
キュール・シュランクの艦内は以前の静けさを取り戻す
パイロットたちは変わらず哨戒飛行を続け、たまに残存部隊を発見しては殲滅させていった
シフト制で巡回を繰り返すなか、ソニアは勤務時間が終わり、ラフなタンクトップ姿で最上階のリラクゼーションルーム、温室の部屋に来ていた
強化ガラスに囲まれた開放感のある部屋
天井も高く、2〜3メートルクラスの南国風観葉植物たちがひしめきあっている
ソニアはガラスの向こう、大空に飛び立つ〈フリーゲン〉部隊を眺めながら搭乗後のクールダウンを行っていた
“あれからアニーカ・カリードたちとはお別れの挨拶も出来ずじまいだったなぁ……”
カシミール渓谷での掃討作戦のあと、残存兵狩りの最中、アニーカ・カリードとノマの2人は突然体調が悪くなってしまい警戒任務から解かれた
あとから想像するに、強化人間同士なんらかの共鳴作用が働きファラの絶命を察してしまったのではなかろうかと考えられた
数日間、眠らされていた2人だがキュール・シュランクには強化人間に関する設備が無いため何も出来ず、結局アブドゥラ解放軍に戻されることになってしまったのだった
ソニアは慌ただしい環境からもの静かな雰囲気に変わり、少し心にポッカリと穴が開いたような気持ちになった…