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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第36章 アナハイム・エレクトロニクス〜月の死の商社〜

(1)

小惑星フィフス・ルナを落下させた〈地球寒冷化作戦〉のあと、

新生ネオ・ジオンの旗艦〈レウルーラ〉はサイド1の拠点コロニー、スウィートウォーターへ戻った

連邦軍の主力部隊〈ロンド・ベル〉もロンデニオンへ帰還したが、そこにはスウィートウォーターへ戻ったはずの〈レウルーラ〉の姿があった


実は新生ネオ・ジオン軍はロンデニオンで連邦政府と秘密裏に【和平交渉】を行なっていたのだった…


連邦政府はかつてのジオン領、小惑星アクシズの譲渡を提案、それに伴い武装解除を要求した



その頃

ナオトとシンシアはエリーと別れ、ロンデニオン・コロニーを後にしていた

ふたりは月へ向かっていく


「エリーさん、寂しそうだったね…」


「もともと一人で静かに暮らしていた所に私たちが押しかけたんだ、にぎやかなパーティーのあと喪失してしまうのは仕方ないよ
 また会いに行けばいい」


「それにしても今回の移動は突然だったんだね?     
 ハンセン艦長のメールには何て書いてあったのさ?」


シンシアは手に持っていたタブレット端末の画面を切り替えて、メールの内容を見せてくれた



「月面の乙女が地に降り立つ」


内容はそれだけだった


「?  …なにかの暗号?」


「暗号ってほどのものでもないんだけど……、そのまま“新兵器をアナハイム・エレクトロニクス社から受領して、持ち帰ってきてくれ”て書いてあるんだ」


「新兵器ッ!? どうして宇宙に上がったボクたちに?」


「マークされない民間人だからじゃないかな?
 今回は連邦軍の息がかかっていない工場へまわるんだよ、だから選ばれたのかもね」


「誰がマークするのさ?」


ナオトは疑問符だらけだ


「ジオン勢力に肩入れする団体も多いんだよ、スペースコロニーや月面にはね……」





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