テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第37章 メテオシュタイン

(1)

月を離れて数刻

オートクルーズのまま座席で仮眠していたナオトとシンシアだったが、突然の警告音で目が醒めた!


「な、なんだッ!?」


離れたところに地球が見える

その近くを火線が走る


戦闘だ!


コンソールのディスプレイには認識番号こそ出ないものの、赤と青に彩ろられた軍勢ご表示されている


「ひとつは連邦軍として、もう一方はどこだろう? ジオン?」


「赤いマークのほうの動きはモビルスーツじゃ無さそうね、月で見かけたジオンの軍勢はモビルスーツばかりだったから、また別の勢力かもしれない」


地球圏に徐々に近付いていく


「宇宙ステーションのこんな近くで戦闘するなんて…、コロニー公社はどこの軍勢にも属さない中立宙域なのに…」


輸送艇シャトルの目の前を、被弾した連邦軍のモビルスーツ〈ジェガン〉が通り過ぎる


一瞬だけノイズまみれのフリー回線が繋がった


「こんな所に民間のシャトル?引き返せ、戦闘宙域だぞッ!」


「こちらも連邦軍です、相手は何処の勢力なの?」


「女? 地球へ降りるのなら時間をずらしたほうがいい、今の混戦に入り込んだら被弾してしまうぞッ!
 
 相手は〈キサンドリア〉たちだよ、ジオンに味方している連中だ、連中はジオンの〈アクシズ落とし〉を前にして航路を作ろうと躍起になってやがるんだッ!
 オレたちは航路を塞いでアクシズを地球圏に近付けないように張り付いていたら案の定攻撃を仕掛けてきたんだ!」


そう言って被弾した〈ジェガン〉は片腕をバチバチとショートさせながらも、再び混戦する宙域に戻っていった…


「…どうする? 戻るか、宇宙ステーションへ逃げ込むかい?」


「……いえ、進みましょう!宇宙ステーションへ入るには検閲を受けなければならないし、足留めを食うわけにはいかないわ

 戦闘宙域を避けて、彼らの目をくぐり抜けていきましょう…」


ナオトは頷いて輸送艇の進路を少しずらしてまわり道させていった…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ