テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第37章 メテオシュタイン

(2)

戦闘宙域に近付くにつれ、敵の機体が確認できる


戦闘機のような流線型の機体

側面からは腕が伸びてライフルを構えている


「フリューゲルみたい」


「でも人型らしさはあまり無いね、こちらの〈メテオシュタイン〉と同じようなシルエットだ」


「じゃあやっぱりアナハイム社じゃないのッ!

 あの実戦機の新型機が〈メテオシュタイン〉なんだわ、そりゃあそよね、設計をイチからやっていたら高くつくもの!元のオリジナルの系譜があるのよ!

 どおりで連邦軍直轄のフォン・ブラウン工場じゃなく、ジオン側のグラナダ工場の筈だわ、もともとが反連邦組織が開発したシリーズなのよ!」


「それじゃあこの輸送艇の中身は連邦軍に見せられないね、間違って撃墜されてしまうよ!
 このまま予定通り輸送艇シャトルで大気圏突入をしよう、戦闘はダメだ」


「……でも、イヤな予感がするわ」


「…思っていても口に出さないでよ…」


アナハイム・エレクトロニクス社がジオン支援組織〈キサンドリア〉に提供している機体

〈ガラクスイ・シリーズ〉

一撃離脱を目的とした小型戦闘機で宙域を自在に支配でき、モビルスーツよりもスピード重視の機体

汎用性を高めるため“腕”を持ち、銃火器などの攻撃武器からシールドなど防御力を高めたりとカスタムしやすくなっている

モビルスーツのような関節パーツ、駆動パーツが少ないため大量生産が効き、安価で運用できるのはフリューゲルシリーズと似ている

大気圏内でのフリューゲル
宇宙空間でのガラクスイ


ネオ・ジオンを支援する半民間の支援組織〈キサンドリア〉からすれば主力となる兵器だろう


月面基地〈グラナダ〉で大量生産された〈ガラクスイシリーズ〉の機体〈トラバント〉は蜂の集団のように目まぐるしく連邦軍を襲い翻弄していた


連邦軍のモビルスーツ部隊〈ジェガン〉はそのスピードについていけず劣勢のようだ


ナオトは輸送艇シャトルをゆっくりゆっくり戦闘宙域から距離をとり、少しづつ地球の重力が強くなる衛星軌道へ進んでいった…


ストーリーメニュー

TOPTOPへ