浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第39章 キュール・シュランク
(13)
ドロレス・ドリームスとロマーナ・バーニンウィッチの二人の女性はシンガポールから加わったパイロットたちだ
それぞれフリーゲンF4とF5を割り当てられアンジェラ率いる第5小隊に組み込まれていたが、今は第4ソニア小隊と合同部隊となって運用されている
両部隊の小隊長であるアンジェラとソニアがケガによる戦線離脱に伴い、2つの小隊は一時的に合同部隊となり、副長のマリコが隊長代理を、エース任務をノマ・ナッジールが就いている
二人の新参パイロットたちも〈プロトタイプ・サイコフレーム〉の適正検査が高くドロレスがサイコ・フリーゲンF5、ロマーナが可変機のF4を与えられていた
ユッタは彼女たちに手を振って挨拶だけして格納庫を離れた
“…この子たちを死なせるわけにはいかない…”
何としても新素材の補充経路を作り出さないと!
ユッタは食堂のフロアまで戻り、食堂に隣接したフリースペース〈ネットルーム〉へ移動し、古巣のドイツ・ハノーバー研究所へ現状打破の依頼を懇願するのだった…
※ ※ ※
翌日、アキラの母親ミサコは単独で月へのシャトルに乗り込む事を決意し、カタパルトでは小型艇に乗り込む直前に親子の最後の別れを皆が見守り涙するのだった…
その日の夕方、アキラはソニアと共に展望デッキに居た
「寂しいだろ? 大丈夫、すぐにキミも宇宙に行けるさ!」
「少しだけね、ソニアもタオもノマも…みんな友だちだから!」
ソニアはアキラの背後から抱き締めてやった
「そ、そんなに強く締めたら胸か当たってるよ」
「…ふふふ、わざと当ててるのさ」
「子供扱いしないでよ」
「なに言ってんの!キミはまだまだ子供さ」
「いつかソニアを守ってあげるよ」
「それは嬉しいね」
ソニアは少年の頬に軽くキスをしてやろうと屈んだタイミングでアキラが振り返ってしまい
ふたりは偶然にキスをしてしまった…
事故みたいなものだったが、ふたりはそのまま静かに目を閉じて動かなかった
アキラの母親ミサコはニューホンコンの街で前泊し、翌日宇宙ステーション行きのシャトルに搭乗することになっていた
だがその日、ニューホンコンの宇宙港には企業連合〈トランキュリティ軍〉が再度制圧せんと部隊を投入してきた……!
ドロレス・ドリームスとロマーナ・バーニンウィッチの二人の女性はシンガポールから加わったパイロットたちだ
それぞれフリーゲンF4とF5を割り当てられアンジェラ率いる第5小隊に組み込まれていたが、今は第4ソニア小隊と合同部隊となって運用されている
両部隊の小隊長であるアンジェラとソニアがケガによる戦線離脱に伴い、2つの小隊は一時的に合同部隊となり、副長のマリコが隊長代理を、エース任務をノマ・ナッジールが就いている
二人の新参パイロットたちも〈プロトタイプ・サイコフレーム〉の適正検査が高くドロレスがサイコ・フリーゲンF5、ロマーナが可変機のF4を与えられていた
ユッタは彼女たちに手を振って挨拶だけして格納庫を離れた
“…この子たちを死なせるわけにはいかない…”
何としても新素材の補充経路を作り出さないと!
ユッタは食堂のフロアまで戻り、食堂に隣接したフリースペース〈ネットルーム〉へ移動し、古巣のドイツ・ハノーバー研究所へ現状打破の依頼を懇願するのだった…
※ ※ ※
翌日、アキラの母親ミサコは単独で月へのシャトルに乗り込む事を決意し、カタパルトでは小型艇に乗り込む直前に親子の最後の別れを皆が見守り涙するのだった…
その日の夕方、アキラはソニアと共に展望デッキに居た
「寂しいだろ? 大丈夫、すぐにキミも宇宙に行けるさ!」
「少しだけね、ソニアもタオもノマも…みんな友だちだから!」
ソニアはアキラの背後から抱き締めてやった
「そ、そんなに強く締めたら胸か当たってるよ」
「…ふふふ、わざと当ててるのさ」
「子供扱いしないでよ」
「なに言ってんの!キミはまだまだ子供さ」
「いつかソニアを守ってあげるよ」
「それは嬉しいね」
ソニアは少年の頬に軽くキスをしてやろうと屈んだタイミングでアキラが振り返ってしまい
ふたりは偶然にキスをしてしまった…
事故みたいなものだったが、ふたりはそのまま静かに目を閉じて動かなかった
アキラの母親ミサコはニューホンコンの街で前泊し、翌日宇宙ステーション行きのシャトルに搭乗することになっていた
だがその日、ニューホンコンの宇宙港には企業連合〈トランキュリティ軍〉が再度制圧せんと部隊を投入してきた……!