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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第41章 最終決戦 〜②爆誕!サイコ・クラング mark2〜

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スティーブはキアラを膝の上に乗せるとハッチを閉じる


「お前、色んなものが顔に刺さっているぞ」


「たいしたことはありません、それよりあなたもケガをしていますよ、ほら腕とか脚とか…

戻って治療してもらいましょう」


「捕虜になるぐらいならここでお前を殺す」


「およしなさい、捕虜になんかしませんよ
 
 帰ったら是非、娘たちに会ってやって下さい

 仲良くなれたらいいですね」


「お前がさっき言ってた姉やらいう戯言か

 なんなんだ、お前は!」


「私はスティーブ・グリメット、貴族でもあり、商人でもあります、そしてほら、あの子たちの親でもあります」


「お前は自分の娘を戦場に送っているのか」


「私も望んではいないのですがね…、仕方なくこんなことをしています

 それにあなたは本当にあの子たちの姉妹かもしれません、昔いろいろ有りましてね

 あなたの知らない所で色々あったみたいですよ

 あなた、アレクやキンバリー博士をご存知ですかね?」


「キンバリーを知っているのか? アレクまで? 

 アレクなら、ほらあそこに見えているだろう」


「ほほう……、あの巨人に、そうですか

 彼は優しく接してくれますか?」



「優しく? なぜ?

 強いパイロットなんだろうが、イヤミな奴だ」



「そうですか…、キンバリー博士は?」



「キンバリーはお医者さんだからな、検査の時しか会わない、キンバリーがどうしたってんだ」


「いえいえ、なんでもありませんよ

 ひどい仕打ちが無ければ良いのです

 でも暖かい環境でも無かったようですね」



「暖かい? なぜ戦場にそんなものが必要なんだ?あんたアタマがおかしいのか?」


「そう見えますか? でもあなたは女のコなんですよ? こんなものに乗っている方がおかしくありませんか?

 まぁ、お話しはかえってからゆっくりと…

 大丈夫、悪いようにはしません

 捕虜にもしませんし、拷問も無しですよ

 帰ったらお風呂に入って、アイスクリームを食べましょう!あなたはダージリンとアールグレイどちらがお好みですか?娘たちはアールグレイ派とダージリン派に分かれるんです、可笑しいでしょう?姉妹でも好みは違うのです、私は娘たちのほんのり覗かせる個性を見つけるのが大好きなんです」


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