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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第42章 最終決戦〜③空の狩人、アレク

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こうしてニューホンコン戦線は収束した


地上の宇宙港からは次々とシャトルが飛び立つようになり、地球の人口流出は加速していくだろう



企業連合軍〈トランキュリティ〉は主たる戦力てあった〈マグリッド部隊〉と〈グール部隊〉が壊滅してしまい組織としての運用が難しくなっていくだろう



それは連邦側も同じで〈キュール・シュランク〉も多数の犠牲者、被害を出してしまい戦力は半減してしまうのだった


結局この戦域で比較的被害が少なかったのは英国の私設部隊〈グリメット〉であろう


スティーブ・グリメットはアレクの遺児キアラを擁護して英国へ去ってしまった



キュール・シュランク部隊はニューホンコンの治安維持の任務のあと、戦力を立て直すべくドイツ・ハノーバーへ向かった


だが最前線に戻れるのはずっと先になるだろう


浮遊空母は暴風の地上から離れ、分厚い雲の上へ出た


雲の上は明るい太陽が照らし出す


巨大な建造物は新たなる息吹を得るために当面深い眠りにつくことになるだろう


ここでの天空の乗員たちも疲弊した身体と精神を休める機会を与えられる


だが、それも束の間の時間だ


連邦空軍は空の治安のため、またいつか出動することになるのだから


空に浮かぶ天空の居城は光を浴びて進んでいった





宇宙世紀0093年  冬


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