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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第45章 あとがき

「個人的に好きなエピソードの話し」


自分で書いてて言うのもなんですが


お気に入りで、

よく出来たな、と思うエピソードは


「哀しみのニック編」です


スティーブ・グリメットの英国の邸宅の話し


ちょっとした“少年の淡い、切ない気持ち”を綴っています



シュメッターリングの娘たちのガラス温室でのお茶会で出会った少年ニックのお話し


エピソードのラストでは、その女のコとはもう会えないと悟ってしまう


またこのエピソード中でも


ニックの侍女アンナの気持ちも少し可哀相な雰囲気


戦闘シーンでは


今編のみ登場のシュターム〈試験型〉や、

そのテストパイロットの少女、ルディ・ペル


などもお気に入りです


長いお話し、大河の中の切り取られた短編のように思っています


無くても本編には影響ありませんが、

このような短編をもっとたくさん挿し込めたら、この長いお話しももっと深みが得られたのになぁ、と反省すべき点でもあります



ちなみに


ルディ・ペルのネーミング由来はドイツの速弾きソロギタリスト、アクセル・ルディ・ルディから拝借しています


黄色いシュタームこと、プロトタイプ・シュタームは、少年の頃に買ったプラモデル〈グフ、飛行試験型〉というMSVシリーズというガンプラの箱絵“ボックスアート”から影響を受けています


小学生のとき、ガンダムブームが巻き起こりました

TVアニメのプラモデルがひと通り発売されたあと、別バージョンシリーズとして発売されたのがMSVシリーズでした


グフやドム、ガンダムの初期型とか

ザク、ゲルググの後期型、砂漠バージョンなど


アニメ以上の物語を補完するようなリアルな戦場イラストでした


新鋭機シュタームも、実戦投入前は研究所で試験運用されていたよ、という紹介みたいな雰囲気にしています


またルディ自身もテストパイロットであって実戦を好まない、でもやるしかない!という流れも気に入っています



ちなみにルディの先輩テストパイロットがシンシアでもあります


シンシアは浮遊空母に参加する前はハノーバーでヴァルキューレのテストパイロットをしていた、という設定にしています


それだけにシンシアからすれば思い入れのある機体なのだと思います


ナオトに引き継ぐことも考えていましたが、ラストは悲劇です

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