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missing☆ring【完】

第7章 追憶の彼方へ

綾子はため息をついてから、



「後悔してるのは裕実だけじゃないよ」と強い口調で言う。



「小林だって、典幸だって後悔してんだよ。分かるよね?」


「……」


「どうしてあの時、裕実に言わなかったんだろうって。どうしてあの時、もっと陸に言ってやれなかったんだろうって」




今の私には綾子の優しさも入り込む隙がないくらいに、陸とのことを後悔している。



街中で無意識に陸と似ている人を探している。
もう居るはずのない陸を探してる。



似ている背中を見付けては泣きそうになり、
似ている声を聞けば切なくなり、
私の中では何も終わってなんかない。



そうやって、陸が居なくなってからの一年を過ごして来た。



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