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missing☆ring【完】

第7章 追憶の彼方へ

もう二度と逢えない……
分かっているから探してしまう。



陸と逢わなかった時より、
陸を避けていた時より、
陸を求め探して、
陸を色濃く想ってしまう。










「裕実! いい加減にしなよ」


「……綾子には……分かんないよ」



綾子に当たってしまう。
どうしようもない苛立ちを、綾子にぶつけてしまう。



「分からないよ! って言うか、分かりたくないしね」



綾子が荒い口振りになる。
だけど、その顔は今にも泣き出しそうだった。



「私言ったよね? 陸を好きだってことが昔なら、ちゃんと終わらせなよって! 陸にちゃんと向き合わなかったんだから、後悔してるとかって、裕実の勝手じゃん」




分かってる。
分かってるよ。
だから、先に進めないんじゃん。
後悔しても、後悔しても、その相手はもう居ないんだから。
やり直しが出来ないんだから。




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