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missing☆ring【完】

第7章 追憶の彼方へ

綾子は「裕実の背中を押すのは私だって思ってないから」と切なく瞳を落として、カバンから白い封筒を取りだしテーブルの上に置いた。




「陸から裕実にだって」



泣きそうに呟いた。



「……陸、からって」



陸が死んだと聞いた時と同じ。
喉が渇き、クラクラと目眩がしそうになった。



「陸のお母さんから……陸の遺品から出て来たんだって。裕実に渡そうとしたんだけど、アンタ一周忌来なかったでしょ」




そして瞳にいっぱいの涙を溜めて「私が陸の想いを預かってきたから」と。



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