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missing☆ring【完】

第3章 4年前。

「ヨコヤンが肉食系?」


綾子は陸を見て少し考えるような顔をしてから「ない、ない」と笑った。




綾子の意見に私も賛成した。


結局は修学旅行の計画も、綾子の友達の話も中途半端に終わってしまった。



そして、帰りはもちろん雅美は小林と帰り、綾子と典幸は部活に行き私は陸と二人教室に取り残された。




同じ駅へ向かうのに別々に帰るのは不自然。
だから自然に「帰るか」と言う陸の隣に並んで歩いた。



背の高い陸の隣は150センチしかない私には少し首が疲れる。
だけど、下から見上げる陸の襟足がクセ毛のせいで少しくるんとまるまっているのが分かった。



私はクスクス笑いながら陸の襟足の髪に触れ「ここ可愛いね」と言うと



「あっ、」と陸も髪に触れ「クセ毛だからね」と少し照れたように長い髪で瞳を隠した。





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