テキストサイズ

missing☆ring【完】

第3章 4年前。

そして「雨の日なんて最悪だよ」と拗ねたような声を出す。



「梅雨の季節なんて地獄なんだね」


「あぁ、あり得ないくらいにね。裕実はクセのない綺麗な髪だね」




陸のルックスで「綺麗」なんて単語を口にすると、はまり過ぎて照れるどころか笑ってしまいそうになる。



「何笑ってんだよ」



今、綺麗と誉めてくれた私の髪を陸が両手でクシャクシャと乱す。



「やめてよ」



笑いながら陸を止めようとするけど、背の高い陸には思うように触れなかった。



「笑った罰だ」



少し顎を上げて私を見下ろすように意地悪に笑っている。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ