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missing☆ring【完】

第3章 4年前。

「いや、誰のせいで髪がクシャクシャになって疲れたと思ってんのよ」


「さぁ~」



陸は笑ってポケットからお金を出し弁当代とチョコが乗っている手とは逆の手にお金を置いた。



両手に陸がくれたものを握り綾子の居る屋上へ向かう。



「お~来た!来た!」



綾子が手を上げて私を呼ぶ。



綾子は持参のお弁当を広げてもう食べる準備をしていた。
私は綾子の隣に座り、購買部で買ったハマっているチーズパンとカフェオレを袋から出した。



「さすがに屋上はもう寒いね」


10月の冷たい風が私の体温を奪って行く。
温かいカフェオレを両手で包み「あったかい」と言う口からは少し白い息が出た。



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