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missing☆ring【完】

第3章 4年前。

陸のイメージ……

仲良くなる前は確かにあった。
クールな感じで、ちょっとドライな人かと思ってたけど今は違う。



良く笑うし良く喋る。
だけど、ちょっと抜けててスローテンポ。



「まぁ、あったね」


「過去系?」


「イメージなんて仲良くなれば、あってもなかったようなもんじゃん」



そう言うと陸は嬉しそうに「好きになるならそこからだろう」と私の頭をポンポンと叩いた。



「……だね」


「だから断った」


「ん、なるほどね。もしかして元カノに振られた理由ってそれ?」



瞳を少し伏せ目がちにして「まぁ、そんな感じ」とうすく笑った。



「良いじゃん!良いじゃん!陸の良さは分かる奴はちゃんと分かってるんだしさ」



私は自分より高い陸の背中をバンと叩いて笑って見せた。



「俺の良さ?」


「陸がクールに見えるのは照れ屋だからでしょ?前にクセ毛の話した時顔赤かったし、ドライに見えるのは、陸がちゃんと考えて答えようとしてる"間"みたいなもんでしょ?」


「……」


「まぁ、誤解されちゃうのはちょっと損だね」



私は一人でうん。うん。と頷いた。



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