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missing☆ring【完】

第3章 4年前。

「裕実……ありがとうな」と何故か陸にお礼を言われ、意味なく照れてしまう。



「陸の良さはちゃんと分かってるよ」


「よし。よし。じゃあ、裕実には……」とポケットを漁る陸。


「……今日は何もないや」



そう笑って「代わりに」と携帯を取り出した。



「番号教えるから、暇ならかけてきてよ」



うん。と私も携帯を出して赤外線で陸と連絡先を交換した。



「あっ、暇だからってイタ電はするなよ」


「……しないよ」




しようと思ってた。
今夜旅館についたら早速なんて、




「もう!ちゃんとみんな聞いてる!」



一番前から大声で綾子が叫ぶ。



「せっかくなんだから、もっと自由で良いじゃん」



一番後ろの小林が叫ぶ。



まぁ、それはそれで想い出になるよ。

些細な言葉が、
些細な行動が、

ずっと後に先に進む力になる。




特別なことも、
些細なことも、

全部が力になる。





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