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missing☆ring【完】

第3章 4年前。

「俺と裕実はこれから運気が上がるってことで」


「そうだね」




皆で近くにある木におみくじを結ぶ。



「何やってんの?」



上の方の枝にジャンプしていた私に陸が言う。



「少しでも空に近い方が良いのかと思ってさ」


「気持ちの問題だろう」


「でもさ……」と高い枝を見上げた。



陸は笑いながら「じゃあ……」と私を後ろから空へと持ち上げた。



「え?ちょっと!何?」


「これなら高い枝に結べるだろう」


「そうだけど、重いから離して!って言うか恥ずかしいよ」


「確かに重いし、恥ずかしいから早くしてよ」



陸が笑っている。


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