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missing☆ring【完】

第3章 4年前。

もう、と少し口を尖らせながら私は手早く結んで「出来た!」と言って陸に「もう良いよ」とおろしてもらった。



「結べた?」


「うん。結べた。ありがとう」


「良かった」



陸は切れ長の瞳を細めて私を見つめ、ポンポンと頭に触れた。



陸に見つめられると、心があったかくなる。
優しい気持ちになれる。



「何時までやってんのよ。行くよ」



綾子達はもう階段を降りようとしていた。



「今行くよ」



私は綾子に言ってから、横に居る陸を見上げた。



「じゃあ、行こう」



陸がまた優しく笑って、私の隣で一緒に歩き出した。




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