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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

二人で買い物に行くことは私達にとってみたら、珍しいことでも特別なことではなかった。



だけど、陸の地元に行くのは初めてで少し落ち着かない。



店を出て少し歩くと小さな公園があった。
ブランコに小さな鉄棒。
滑り台。
それしかない、本当に小さな公園。



「中学の時に良くみんなで此所で待ち合わせしたんだよ」



陸はそう言って小さな公園へ足を入れた。



「ちいせぇ」


陸はブランコに座り長い足を前に突き出した。
私も陸の隣のブランコに座り少し勢いをつけて、ブランコを揺らした。



隣の陸はそんな私を見ている。
笑う訳でもなく、バカにする訳でもなく、ただジッと……。



私は両足を地面に付けてブレーキをかけるようにして、ブランコを止めた。



「久しぶりにブランコに乗ったよ」



と陸に視線を向けた。



「裕実」


「ん?」


「Missing ringって知ってる?」


「Missing ring?私が英語だめなの陸分かってるじゃん」



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