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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

「裕実」



頭上から優しく私を呼ぶ陸の声。
顔を上げずに「何?」と答えると



陸は膝を曲げ私のブランコを握り



「裕実」



また優しく呼ぶ。
観念して顔を上げると陸との近い距離にドキッと胸が高鳴り、心音が早くなる。



「裕実には俺が居るじゃん。ずっと、ずっとそばに居るよ」



涙が出た。
でもそれに気付いたのは、陸の冷たい指先が私の頬に触れたから。



その時に思った。
陸との関係をこれ以上願っちゃいけないんだ。
これ以上望んじゃいけない。



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