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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

「俺と裕実もそうなれたら良いのに」



一つになった輪から、今度は両目でしっかりと私を見つめる。
そして優しく笑い、


「贅沢な関係だろう」



私が望んでいた関係より、陸が言ってくれたことの方が本当に贅沢な関係に感じた。



「本当だ。贅沢」



私は自分で涙を拭って陸に笑って見せた。



その時のオレンジ色に染まろうとしている空。
まだ少し冷たい空気。



私と陸。
二人の間にしか分からない空間。








私は全部一生忘れない。




こんな贅沢な関係を教えてくれた陸の全ても。
その時の自分の想いも。


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