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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

陸は私の気持ちを感じていたのかもしれない。
だから、一番の特等席を用意してくれたのかもしれない。





「Missing ring……か」





ベッドに横になり、
今日、陸がやったみたいに、右手の指先と左手の指先で欠けている輪を作って、それを少しずつ近付け、一つの輪を作った。



何度やっても歪な輪は綺麗な一つの輪にはならなかった。



贅沢だけど歪な関係……か。
永遠に陸の彼女にはなれない。
永遠に陸には好きだと伝えることは出来ない。



だけど、陸に永遠に彼女が出来ないと言うことではない。
陸が誰かに好きと言わない訳じゃない。



その時が来たら私は今と同じように、陸との関係を贅沢だと言えるのだろうか。






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