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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

「命短し恋せよ乙女」


「何それ?」


「ん……そんな言葉があったような気がしてね」





命短し……まだ17だから。
恋せよ乙女……恋はしてるんだけどね。



「まぁ、良いや。じゃあ。ありがとうね」


「泊まるようなら連絡するのよ」


「ママ!だからないってば」


「はい。はい。もしもの話よ」




母親はアハハと笑って私を送り出してくれた。



出掛けにあんなこと言われたら意識しちゃうじゃん。
もう止めるんだから、鈍るようなこと言わないでよ。



電車に乗ると周りには何人か同じように浴衣を着ている子がいた。
きっとこの子達もお祭りに行くんだろうな。



電車を降りて改札を抜けると





「裕実」




大勢の人混みから私を見つけ出し、右手を上げて私を呼ぶ陸の姿が見えた。



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