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ホットミルク

第4章 いいなり

拓人先生が去ってから5分後くらいに高橋先生が来た

いつものように遅れてごめんと言いながら爽やかな笑顔で入ってくる
私は先生の顔をちゃんと見ることができず、俯いて自分の少し震えた手を見つめていた


そして、なにか悩みがあるなら俺に言えって柔らかく微笑んだ先生が何だかとても温かくてまた涙がこぼれそうになった

もういっそこの人に全部言ってしまおうか…


でも……拓人先生を裏切ったらどうなることか
考えるだけで悪寒がした


「…なんでもないです……家庭の事情なので先生には関係ありませんっ」

私にはこれで精一杯だった
すこし声が震えていたと思う








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