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暗闇で恋しましょう

第10章 お買い物3






.*・゚side 杏.*・゚




ひぃちゃんは、気付いてくれただろうか。


特徴だけとはいえ、特定出来る程の情報量だったはず。


だから、恐らく、視線は浴びたに違いない。


けど、あの放送だけで指しているのが“誘拐犯”なんて思う人はいないだろう。



私、天才



浮かれる反面、やはり気にかかるは、ひぃちゃんが視線を浴びた事。


この事に関しては、絶対に叱責を受けることになる。



どうしよう……





なーんて実は思ってなかったりする。



だぁってぇ、私にはぁ

最終兵器があるから



そう。


ひぃちゃんが、起こしてくれた今回の“失態”。


これは紛れもなく私の強みになる。


ひぃちゃんが何か言ってきたら


“そうせざるを得なくしたのは、ひぃちゃんでしょ?!”


で一喝。



ひぃちゃんは、もれなく黙るしかないのです!



ふふんと得意気に鼻を鳴らし、用意された椅子に座ったまま、胸をそらそうとしてハッとする。


私に向けられる視線に気付いたからだ。


すっと姿勢を低くし、視線の主であろう放送をしてくれたお姉さんとのやり取りを思い出す。

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