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暗闇で恋しましょう

第10章 お買い物3

誰よりも早くそれを破ったのは、言わずもがなひぃちゃんで。



「?……あの、放送聞いてきたんですけど」

「え……?あ、は、はい!」



それにつられ、お姉さん、私、とハッとする。


同時に危惧していたことが蘇る。



精神だけじゃなく、身体的にも弱ってるんじゃん!

ダメダメじゃん!!



早くどうにかしようにも、私だけ焦ってはあまりに不自然。


ここは、繋がりがあることを証明するために、致し方なく、い、た、し、か、た、な、く!


“おにいちゃん”と言って、飛び付き、感動の再会を装



「え、えーっと……関係性を伺っても…?」

「あぁ。この子の遠い親戚でして。この子の親、今旅行中で。近い親戚当たったけど全滅だったらしく、俺が預かってるんです。こうやって、俺を迷子扱いして、難解な放送かけるの好きな奴で……ご迷惑おかけしました」

「そうだったんですか」



お姉さん、質問繰り出すの早すぎ……


私、飛びつく準備すらしてない。


ひぃちゃん、思ったより冷静すぎ。


私の気苦労返せ。


そして、何より



お姉さん、あっさり納得しすぎ!!



私の時のあのしつこさは何処へ?!


これがイケメンパワーなるものなのか?

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