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暗闇で恋しましょう

第16章 回顧①

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ー10年前ー


ピンポーンピンポーン


ボロいアパートの呼び鈴が鳴る。



「………」



こんな所に来る客人はどうせ、怪しい宗教の団体。


もしくは新聞の勧誘くらい。


まあ、誰が来ようがこの場から動いた試しはないんだが。


ピンポーンピンポーン


でも、予想通りなら今日は運がいい。


そういう輩は出ないと分かれば、引き際がいいから、この耳障りな音もすぐ止むだろう。


………R……PRRRR


……思っていれば、耳障りな音がもう1つ。


しかし、この音を鳴らすのは1人だけしかいないのだ。


分かっているから、躊躇いもなく指は切のボタンへと置かれた。


PRRプツッ

ピンポーン


音はあと、1つ。

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