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暗闇で恋しましょう

第16章 回顧①

こうすれば、次の祥人の行動は決まってくる。


1言2言小言を言って、冷蔵庫に食料を足して、ちょっと掃除をして帰って行く。


分かっているからこその行動。


毎回毎回、このパターンなのだから、そろそろ諦めて頂きたい。


俺にはもう、生きる意思など



ぐいっ



「へぁ?」



ネガティブ思考真っ只中の俺の体が突然、立ち上がる。


もちろん俺の意思ではない。


俺の腕には祥人の手があって。


力で引き上げられたのだと感付く。



「………遠出、するぞ」

「………………………………………は?」



いきなりの提案。


頭が追い付かない。


なのに、祥人はお構い無しで、俺を引き摺りお出かけの準備をさせようとしやがる。



「お、い。ちょっとま」



ぐっと掴んでる手をどかそうとするも、全然どかせられない。



あれ?なんで……



「そんなヒョロい腕して何を解くって言うんだ」



言われて思い出す。


自分の日常。

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