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暗闇で恋しましょう

第17章 回顧②

どうにもこうにも、意見を曲げる気のない俺に諦めたように祥人は、はぁと息を吐いた。



「………分かった。こんなところでお前と堂々巡りしてたって仕方ない。そのくらいしかお前は体力がない、と俺もタカをくくって今日の買い物挑むわ
とりあえず、飲み物、買ってくる」



前半も後半も、いい心意気だ。


ファイト、そんな意味を込め、ガッツポーズを向けたが


俺はお前じゃないから、こんなことで頑張らなくて良いんだよ


と一蹴されてしまった。


やはり、健全な生活をしている人間は違うらしい。


そう、俺は健全とは程遠い生活だったんだ。


言わなかったが、太陽に当たる、だとか、行き交う車、行き交う人、それを見る、だとか。


そんな行為だけでも、どっと疲労感が体を襲うくらいには。

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