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暗闇で恋しましょう

第17章 回顧②

さーっと血の気が引く音がする。


いない、ということはどこかに行った、ということ。


その先が親の所だったら……?


常套句“うちの娘になんてことを!”を吐かれ殴られコース?


“あの人がうちの娘に”と指指され警察コース?


どっちにしろ待っているのは祥人の説教コース。


面倒臭いことこの上ない、これから起こりうる出来事。


何が何でも見付けなければと、使命感が俺の中で燃え立つ。



燃え立つ、が………

実はもう見付けてたりするんだよなぁ

目の端に見えてるんだよ

ハンカチ拾ってる少女



ゆっくりそちらを向けば、やはり少女はそこにいて。


拾ったハンカチを叩いて、埃を落としている様子。



何はともあれ、親のとこじゃなくて良かった……



そもそも、考えたのは全て“かもしれない”出来事。


杞憂にしか過ぎないのだ。

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